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長期優良住宅・低炭素住宅

2026年07月12日

長期優良住宅の認定基準とは?維持保全計画の内容と申請時の注意点を解説

長期優良住宅の認定を受けるには、劣化対策や耐震性、省エネ性、維持管理のしやすさなど、複数の認定基準を満たす必要があります。

また、認定後も維持保全計画に基づいて点検や補修を行うことが求められます。2025年4月には木造住宅の耐震基準や省エネ基準の運用が見直されており、最新の基準を踏まえた対応が欠かせません。

この記事では、長期優良住宅の認定基準と維持保全計画の内容、申請時の注意点を解説します。

長期優良住宅の認定基準とは

長期優良住宅の認定基準とは

長期優良住宅の認定基準は、住宅を長く良好な状態で使い続けるための性能を確認するものです。対象となる性能は構造から省エネまで幅広く、複数の項目を総合的に満たす必要があります。まずは基準の全体像を押さえましょう。

長く良好な状態で使うための住宅性能を確認する

長期優良住宅の認定基準は、世代を超えて長く住み継げる住宅であることを確認するために設けられています。

具体的には、構造躯体の劣化を抑える劣化対策、地震に耐える耐震性、配管などの点検・交換のしやすさを示す維持管理対策、そして断熱性能と設備効率による省エネルギー性などが評価されます。

これらは単独ではなく、総合的に満たす必要があります。建物を長持ちさせるための耐久性と、住み続ける間の快適性・省エネ性の両面から、住宅の基礎体力を測る基準といえるでしょう。

認定を受けることで、税制優遇や金利引き下げなどの優遇措置の対象になる場合があります。

新築・増改築・既存住宅で基準が異なる場合がある

長期優良住宅の認定は新築だけのものではなく、増改築によって認定を受ける制度も用意されています。新築と増改築では求められる基準や確認方法が一部異なり、既存住宅を長期優良化する場合は、現状の性能を踏まえた改修計画が必要です。

自分のケースが新築の認定なのか、増改築による認定なのかによって、整える資料や満たすべき条件が変わります。また、2025年4月には木造住宅の耐震基準や省エネ基準の運用が見直されており、新築では最新の基準を踏まえる必要があります。

計画の初期段階で、どの区分での申請になるのか、どの時点の基準が適用されるのかを確認しておくことが大切です。

所管行政庁への申請が必要になる

長期優良住宅の認定は、基準を満たしているだけでは成立しません。所管行政庁(都道府県や市区町村)へ申請し、認定を受けて初めて長期優良住宅となります。多くの場合、登録住宅性能評価機関による技術的審査を経てから所管行政庁へ申請する流れです。

認定は工事着手前に受ける必要があるため、申請のタイミングにも注意が必要です。

着工後に申請しても認定は受けられないため、設計・審査・着工の順序を意識して工程を組むことが欠かせません。基準への適合と、適切な手続きの両方がそろって認定取得につながります。

長期優良住宅で確認される主な性能項目

長期優良住宅で確認される主な性能項目

認定では、複数の性能項目がそれぞれ一定の水準を満たしているかが確認されます。構造から省エネ、立地への配慮まで、確認される範囲は多岐にわたります。代表的な項目を具体的に見ていきましょう。

劣化対策・耐震性・維持管理のしやすさ

まず構造面では、劣化対策・耐震性・維持管理のしやすさが確認されます。劣化対策は、数世代にわたり構造躯体が使えるよう劣化対策等級3相当に加えて床下や小屋裏の点検口の設置などの措置が求められます。

耐震等級は、原則として2以上が必要です。維持管理対策は、給排水管などの点検・清掃・補修がしやすい構造かどうかを維持管理対策等級3相当で評価します。

なお、2025年4月の建築基準法令の改正に伴い、木造住宅に求められる耐震性の基準(壁量基準等)が見直されています。建物を長く安全に使い続けるための、基礎となる性能項目です。

省エネルギー性や住戸面積に関する基準

省エネルギー性については、断熱等性能等級5以上かつ一次エネルギー消費量等級6が求められます。これはZEH水準に相当する性能で、外皮計算と一次エネルギー消費量計算の両方で基準を満たす必要があります。

また、良好な居住水準を確保する観点から住戸面積の基準もあり、一戸建ては延べ面積75㎡以上(少なくとも1階が40㎡以上)、共同住宅は55㎡以上が原則です。

なお住戸面積は、地域の実情に応じて所管行政庁が引き下げる場合があります。省エネ性能の基準は近年強化されているため、最新の水準を確認して設計に反映しましょう。

居住環境・自然災害への配慮

性能だけでなく、周辺環境や災害リスクへの配慮も認定の要件に含まれます。居住環境については、地区計画や景観計画、条例によるまちなみの基準などと調和していることが求められ、これらに反する計画は認定を受けられません。

また、自然災害への配慮として、災害発生のリスクがある区域では、所管行政庁が定める措置を講じることが必要になる場合があります。

地域によって求められる内容が異なるため、建設地ごとに居住環境・災害配慮の要件を確認することが欠かせません。建物単体の性能に加え、立地に応じた配慮までが認定の対象になる点を押さえておきましょう。

維持保全計画とは何を定めるものか

維持保全計画とは何を定めるものか

認定基準のなかでも特徴的なのが維持保全計画です。認定後の住まい方にも関わる重要な計画であり、ほかの性能項目が設計時点の評価であるのに対し、将来にわたる管理を定める点が異なります。その内容を確認します。

点検・補修・更新の時期や方法を定める

維持保全計画とは、住宅を長く良好な状態で保つために、将来の点検・補修・更新の時期や方法をあらかじめ定めた計画です。

構造耐力上主要な部分、雨水の浸入を防ぐ部分、給排水設備などについて、少なくとも10年ごとに点検を行うことなどが想定されています。いつ・どこを・どのように確認するかを計画として示すことで、認定後の適切な維持管理の指針となります。

点検の結果、劣化や不具合が見つかった場合には、必要に応じて補修や更新を行うことも計画に含まれます。

認定後も計画に沿った維持管理が必要

長期優良住宅は、認定を受けて終わりではありません。認定後も、定めた維持保全計画に沿って点検や補修を継続することが求められます。

計画どおりの維持管理を怠ると、所管行政庁から改善を求められたり、状況によっては認定が取り消されたりする可能性があります。

認定はあくまで「長期にわたり良好な状態で使う」という前提のもとに与えられるものであり、その前提を保ち続ける責任が所有者に伴います。住み始めた後も計画を意識し、点検時期を管理していくことが、長期優良住宅のメリットを維持するうえで欠かせません。

記録の保存が重要になる

維持保全を実際に行ったら、その内容を記録として残し、保存しておくことが重要です。いつどのような点検・補修を行ったかを記録しておくことで、計画どおりに維持管理していることを示せます。

この記録は、将来の補修計画を立てる際の資料になるほか、住宅を売却する際に建物の維持管理状況を示す根拠としても役立ちます。適切に維持管理されてきたことが記録で示せれば、住宅の資産価値の維持にもつながります。

認定を受けた住宅の価値を保つためにも、点検・補修の記録を継続的に残す習慣をつけておきましょう。

認定基準を満たすために注意したいこと

認定基準を満たすために注意したいこと

複数の基準を満たし、手戻りなく認定を受けるには、設計段階からの準備が鍵になります。どの段階で何を確認し、誰に相談するかを意識しておくと、申請がぐっと進めやすくなります。注意点を整理します。

設計段階で基準への適合を確認する

認定基準は項目が多岐にわたるため、設計段階で各基準への適合を確認しておくことが何より重要です。省エネ性能や耐震性、劣化対策などは建物全体の設計に関わるため、設計が固まってから基準に合わせようとすると大きな手戻りになります。

たとえば、断熱等性能等級5以上を満たすには断熱・窓の仕様が、耐震等級を確保するには構造計画が初期から関わってきます。計画の早い段階で各項目の基準を意識し、設計に織り込んでおくことで、無理なく認定取得を目指せます。

必要な図面・計算書を漏れなく準備する

認定申請では、各種図面に加えて外皮計算や一次エネルギー消費量計算、構造関係の計算書、維持保全計画書など、多くの書類を漏れなく準備する必要があります。書類が一つでも不足すると審査が滞り、認定が遅れる原因になります。

特に、省エネ計算は設備仕様が確定してから行うため、作成のタイミングを工程に組み込んでおくことが大切です。どの書類が必要かをあらかじめリスト化し、設計と並行して計画的にそろえておくことが、スムーズな審査につながります。

専門家に相談して申請の手戻りを防ぐ

認定基準の確認や申請書類の作成には高い専門性が必要で、近年は基準の強化や法改正も続いています。最新の基準を踏まえて設計と書類を整えるのは負担が大きく、判断を誤ると申請の手戻りにつながりかねません。

そこで、長期優良住宅の認定や省エネ計算に詳しい専門家へ早い段階で相談することが、確実で効率的な近道になります。

計算や申請書類の作成、所管行政庁とのやり取りを代行サービスに任せれば、基準適合の確認に集中でき、手戻りも防げます。経験豊富なパートナーと連携することで、最新基準に沿った認定取得をスムーズに進められるでしょう。

まとめ

長期優良住宅の認定基準は、劣化対策・耐震性・省エネ性・維持管理のしやすさなど、住宅を長く良好に使うための性能を確認するものです。

省エネ性能はZEH水準に相当する断熱・エネルギー消費の基準が求められており、近年さらに強化されています。

維持保全計画は認定後の点検・補修にも関わるため、申請時だけでなく将来の管理まで見据えて作成しましょう。基準が多く専門性も高いため、不安があれば早めに専門家へ相談しましょう。

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